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結婚式の披露宴に行く。二次会も合わせると出席はこれで三回目になる。みんな同じ街で育った旧友たちだ。幾人か小学校の同級生にも会えた。他にも同窓が来ていないか名簿で確認するものの、女の子は苗字が変わっているともう誰だかわからない。さすがに下の名前までは覚えていない。テーブルには見知った顔ばかりが並んでいる。▼池袋の地下迷宮で迷ったり、道が大混雑でタクシーが遅れたり、ご祝儀を間違っていちどクロークに預けてしまったりと、三回目にも関わらずあたふたした立ち回りで辿りついた会場ではあったが、さすが披露宴の方は見事な華やかさ、晴れやかさ。結婚式というものはどうしてこうも記憶に焼きつくものかなと改めて不思議に思うくらい、人の姿も、部屋の様子も、かかる音楽も、細部に至るまでちゃんと覚えているのは、やはりそこに特別な思い入れがあるからだろう。であれば当人たちは一入に違いない――さて、自分の番は来るのかどうか。
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