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DJ、あるいはクラブミュージックという文化がアンダーグラウンドからオーヴァーグラウンドへと遷移してきた昨今の事情は、あるいはその道の専門家よりもゼロ年代に十代を生きてきた若者の方が、自分たちの青春期に身近であった”音の遊具”を思い出して見れば実感できるのではないかと思う。ビートマニアも黎明期は「なんだかよくらからないけど面白い音が鳴るゲーム」ではなかったか。▼太いキックの4つ打ちは、もはやポップスの中で隠蔽されるアレンジャーのテクニックではなくなった。映画でもCMでも喫茶店でもブティックでもアニメ・ゲームの専門店でも、「私です」という顔つきで闊歩するようになった。フレームワークとして利用され、文脈として解釈され、グッズとして蕩尽されていくDJミュージックの現在はじつに「音のメルティングポット」の様相を成して痛快だ。そうしてライト・ファンが坩堝を飲み干していく。注がれる次の飲料は何だろうか。
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