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細工は流流、仕上げを御覧じろ。仕事の過程はさまざまあるのだから、小うるさいことを言わず出来上がりを見てから云々してくれという、ごもっとものような言い訳のようなことわざである。「故事ことわざ辞典」には「部長、完成するまでは黙って見守っていて下さい。細工は流々仕上げを御覧じろですよ」などと用例が出ているが、現実世界で吐ける台詞とはとても思えない。生意気を通り越して言語道断――そう感じるのは、一概に私が古い人間だからでもないだろう。▼世の中、結果こそが全てと断じる成果主義の人もいれば、運を孕んだ顛末よりもプロセスにこそ真価が宿ると考える人もいる。しかし、どちらを相手にするにせよ、自分から「過程をとやかく言うな」と怒るのは好かない。とやかく言われるような過程には、何か問題がある危険性――転じて、もっと上手くやれる可能性があるからだ。たとえ途上の横槍でも、他人の言葉には出来るだけ素直に耳を傾けたい。
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