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雪。雪。深夜から降りつづけて朝にはやはり銀世界。雪かきをすることもできない吹雪が街の姿を刻一刻と変えていく。ベランダの手摺りには見事な白い堆積層。20cmある私の小指の先から親指の先まで広げた幅より長いので、25cmないし30cmはあるだろう。とんでもない積雪。ここに越してきてから、たぶん初めて見た。▼十年ものの豪雪という予報は完璧に仕事をしたわけだ。夕方に見たら手摺りの雪は風に煽られたのか端だけ残して内側に崩れていたが、見渡す道路と遠い屋根屋根の色は完全に消え失せて、きっと雪国の冬景色はいつもこんなであろうと思わせるような、白また白の、立体感のない表面を晒している。▼ふだん見ている町並みの一枚絵に雪のテクスチャを貼り付けたような外観だ。職業病というわけでもないだろうが、目が悪い私には、こういうぺらりとした景色がいっそう表面的に映るのである。窓を開けずに覗き上げる雪空の色は、意外にも汚い。
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