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ブリザードだよ、これは。猛然と襲いかかる強烈な向かい風の、吹雪をしなる傘で受け止めながら、何度か心のなかでそう思った。皆、ビル風が吹き抜ける遊歩道を嫌ったか、踏み固められた道がほとんどない。足元は視界の限り分厚い新雪。ところどころに申し訳程度の足あと。自分が獣道を作るんだ。そんな気分で、なるべく足あとと足あとのすき間を押し付けて歩いた。そういう、大袈裟な気分で歩いていないと、風邪がまたぶり返してしまいそうなほど寒くて冷たくてつらい。▼家に逃げこんで暖房をつける。冷たい風が出てくる。いつまでたっても部屋の温度は低いまま。都会育ちの彼にはこの豪雪、まるで歯がたたないようだ。着込んで、着込んで、その上から半纏で。しまいには布団に逃げ込みたくなる。天候の荒れた夜は多少大きめでも構わない。左側だけの音楽を鳴らしてこもってみる。悪くない。だが寒い。明日は大雨が降るという。なんとまあ、泣きっ面に雨とは。
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