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ニコ・メレ『ビッグの終焉』読了。近未来を予言すると銘打つ社会学系の本は、目につくと読みたくなる。ラディカル・コネクティビティ(革命的なつながりやすさ)がもたらす新たな社会の未来とは。帯のようなデザインの表紙が、ビッグな文字で叫ぶ。「未来研究者による緊急提言!」▼結論から言うと、これは煽りが悪い。未来、未来と言いつつ、内容はここ最近のネット関連事項の議事録に終始している。各章の最後には「未来がどうなるか、それはまだわからない。」「よりよい社会の姿を一緒に考えていこう。」などと書かれている。現状、こういう良いこと、こういう悪いことが起こっているので、さあどうしましょうねという、言わば思考材料の提供である。▼そんな視点で読めれば内容のまとまりと議論の道筋はわかりやすい。ラディカル・コネクティビティはナードの快哉でも権力者の悪夢でもないという穏健な中立の立場から、ゆっくり社会の未来を考えてみる書。
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