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行列ぶ並ぶこと40分あまり。美味しいスペイン料理を食べる。▼前菜は生ハム、主食はパエリア、サイドオーダーにアヒージョ、飲み物はサングリア、デザートはカタラーナという、なんともべたべたな構成である。普段は居酒屋で、名前と体裁だけ借りてきたような油っぽい品ばかり見る面々。ちゃんとしたところで食べると、当たり前だが味の広がりが全く違う。深みというより広がりだと思った。いろんな味が喧嘩せずに混ざっているところがないと、このパエリアの楽しさは出てこない。ただ塩辛いのとはわけが違う味の濃さ。濃厚系ラーメンの旨味に通じるところがある。▼最後に苺のスパークリングワインもいただいた。苺の赤よりずっと紅い、ピジョンブラッドのような色。――こう、書いてみて思う。味とは。色とは。じつに安直ではないか。文章書きとしては、形状、香り、音さえ駆使して、食べ物の美味さを別の五感で明確に表現できるようになりたいものである。
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