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「友人と二人で書店に訪れた君は、音楽棚の片隅に鎮座する本書に気づく。気づいて手に取ると、恐るべき巨大さ、膨大さ、そして高価さだ。君は苦笑する。『こんなものを読む奴がいるのかね。』友人はつられて笑う。しかし笑いながらも、その表情にはためらいの色が浮かんでいる。悩んでいるのだ。まさか、と絶句する君から逃げるように、友人はなけなしの金を投じて本書を買う。君は友人が追い詰められてとうとう正気を逸したのだと考える……。だが近い将来、君は目の当たりにすることになるだろう。想定より早く本書を読み終えた友人は、もはや君と同じ言葉を使ってはいない。君と同じ物の見方をしてはいない。そして、その背中はもう、君よりはるか先へと駈け出している――君は取り残されたのだ。」▼現実には存在しない架空の書物について紹介文を書いてみた。徹夜明けの気まぐれ遊びである。常々、そういう本があったらいいのにな、とは思っているのだが。
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