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「エンジニアリングは現実よって報われる」という謂がある。これは本質をついたやわらかい表現だと思っている。工学とはIdealizationではなくRealizationなのだ。Realizeしない工学はない。机上の「実論」さえ、まだ工学ではない。▼エンジニアは、報われるために人工的な報奨を必要としない。自らの手で創り上げた現実が「動いた」という、その一事ですでに十分報われているからだ。その「動いた」ものが社会の役に立てば、プラスアルファの見返りとして給料や名声がもらえる。実際、そう考えて生きているエンジニアは多いと思う。経済的な余裕がなくて生きていくのがぎりぎりでも、彼らの魂はまっすぐ現実へ向かっている。人工的な見返りだけが快感でものづくりをしている人に、私はまだ会ったことがない。▼これはなかなかありがたい世界なのだ。天道是か非か、なんて悩みながら問う必要もない。何かが出来たらそれで嬉しい。出来ることが増えていけば良い。
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