400
Post/Edit Page
どんどん行こう。フィリップ・K・ディック『ユービック』読了。不朽の名作、この中盤の牽引力、まさに比類なし。▼面白いSFはとにかく睡眠時間が減って困る。眠気を押しても先へ進みたくなる「どうにでもなれ」な真夜中の驀進力とSFはどういうわけか相性が良い。疲れた脳が仮想世界を拒みにくくなるのだろうか。筋金入りのリアリストも、ふいにガードがゆるむ危険な時……。▼結末には疑問符がつかないでもないが、それを割り引いても掛け値なしの傑作だ。しかし背表紙のネタバレは重罪である。情状酌量の余地なし。『バーナード嬢曰く。』で神林が吐き捨てた悪態に完全同意しておこう。「「重要なのは物語ではない…?」押しつけんな!バカ!!」余談ながら、台詞の詳細を思い出すべく漫画を開いたら「人に貸すときカバー外してんだぞ!」と神林が激昂していた本は、なんとこの『ユービック』であった。笑ってしまった。私もさすがにそうするよ、これは。
pass:
Draft