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『パラークシの記憶』読了。▼前作の倍近い分量を感じさせない推進力は変わらず。しかし総合評価としては『ハローサマー、グッドバイ』に比べると今三歩足りない印象だ。作品は優秀な前史を持つと苦労する。あるいは、この続編自体がファンサービスに近い位置づけだと考えた方がしっくり来るような気もする。もう少しだけドローヴとブラウンアイズの星で物語を楽しみたい人へのプレゼント。▼前作に比べると遥かにミステリー色の濃くなった恋愛SF。主人公とヒロインは美男美女同士の一目惚れ――というコーニィ持ち前のラノベ的展開は相変わらずとしても、このたびはガールの方が強すぎて、恋愛小説としての持ち味も薄くなっている。物語の謎に手を引かれながら頁を繰りつづけ、気がついたら終着点、というさらりとした読み口が魅力なのだろう。そういう意味で、訳者の功績も大きいのではないかと思う。最後にひとつ。間違っても続編の方から読まないように。
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