400
Post/Edit Page
昨日のつづき。人に服を選んでもらうとはいえ、ただ選択の結果だけを受け入れるのでは私に何も成長がないので、もちろん、ちゃんとその選択に至る経緯、二人の脳内で考えていることを訊きながら、足を棒にしてぐるぐる店舗を巡り歩いたのである。そうして気がついたのは、ファッションの「センス」という表現に含まれている要素のほとんどが、案外理詰めだということだ。シンプルで、基礎的で、わかりやすい「理」が八割。しかしそれを自然体で修めるのが難しい――なんだ、いつものことじゃないか。▼そう考えたら気持ちは少し楽になった。しかし、ほんとうなら、服飾も気にせず過ごしやすく柔らかい普段着でのんびり日向に本でも繰る生活を送りたいわけで、こうなると仕事に私服が許されているのもかえって面倒なものだなと今更にしてスーツ姿が羨ましく思われる。高校生の頃、私服校の生徒達が似たようなことをぼやいていたような、そんな朧げな記憶が蘇る。
pass:
Draft