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フョードル・パーヴロヴィチ・カラマーゾフは強欲な地主でカラマーゾフ家の父。その長男ドミートリイは女性をめぐり父と争う直情型の人物。次男のイワンは理を重んじ世界の不合理を嘆く知的な青年。三男のアリョーシャは、云々……。ひたすらに人物の境遇や性格を紹介していく。これが上巻。▼その後、彼らのあいだに横たわる様々な関係――良き関係も良からぬ関係も――が次々と明らかになり、やがてひとつの事件を契機に彼らを取り巻く世界の全てに変化が訪れる。誰がどうなるとはネタバレになるので詳しくは書けないが、これが中巻。▼そうして真実は明かされ、上巻で見た人物の全員は、皆、この壮大な物語の歯車であったことを読者は思い知らされる……これが下巻。上中下は新潮文庫の分け方に過ぎないが、これが見事に「提示部」「展開部」「再現部」に対応しているということで、ソナタ形式の説明には良い題材なんじゃないかと、そんな馬鹿話をしていた。
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