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「虎よ! 虎よ! ぬばたまの夜の森に燦爛と燃え、そもいかなる不死の手、はたは眼の作りしや、汝がゆゆしき均整を」▼ディックの『ユービック』を読んでからこのかた、これ以上面白いSFにそうそう出会えるものなのかと訝しんでいたが、そんな小心者の心配をよそにSFの世界はまだまだ奥が深いようだ。三割ほど、読み進んできたが、後半へ向けて加速度的に緊張感の増してくる『ユービック』の破壊力に対して、こちらアルフレッド・ベスター『虎よ! 虎よ!』は、起承転結の起き抜けからして紙面が緊迫に満ちている。プロローグからトップギアだ。たぶんもうスピードが落ちることはないだろう。このまま<驚愕の結末>まで強引に手を引いてくれることを祈る。▼小説以外では、目下、映画のカメラ演出に関する優秀な基礎教材を探している。コンピューター・アーキテクチャは技術評論社の二冊で十分。音楽と建築からはやや身を引いている。今は時期ではない。
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