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3Dゲームの黎明期、主人公級のキャラクターはたいてい兜や帽子をかぶっていた。主人公は戦士ないし冒険者だ。プレイしている人が、それらの”被り物”を不審に思うことはあるまい。新たな表現を追求するゲームの開発は、常にこうした「凌ぎのアイデア」に助けられてきた。技術と仕様の二人三脚だ。彼らが一様に頭部を隠していたのは、デザインの要求ではない。初期のグラフィックエンジンでは、まだ髪の表現が上手く出来なかったからである。▼技術や予算の足りないところを工夫で乗り切るのは一般的な戦略だが、設定変更で乗り切るという、根本的な”ちゃぶ台返し”に目がつきやすいのは、熟練ゲーム開発者の強みではないかと思う。そういうことに長けていなければ、オリジナリティ溢れるゲームの企画者はつとまらない。鳴かぬなら、鳴かなくてもいいんじゃないか、ホトトギス。「出来ない我々」をいち早く認めて迅速に代案を提出するのもまた開発力である。
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