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後輩と電車で話した雑談の延長線。▼私は、読書感想文の大嫌いな子どもだった。読書も大嫌いだったが、それに輪をかけて感想文が嫌いだった。だから、坊主憎けりゃなんとやら、原稿用紙も大嫌いだった。そこに埋められるべき文字が嫌いだった。漢字も言葉も興味がなかった。そういう諸々が、めぐりめぐって一巡し、さらに読書嫌いを助長していたように思う。小学校の夏休み、宿題に出された読書感想文では、休み中に暗記できたところまで円周率を書きなぐって規定枚数を埋めた。忘れられない思い出の一頁だ。▼後輩も読書感想文が吐くほど嫌いだったらしい。それが今ではふたりとも好きで本を読む。私は感想文どころか好んでレビューを何本も書いている。他人から強制されない読書とは、表現とは、実に素晴らしいものだ。そう実感できるのも、押し付けられた読書の体験があればこそだろう。学校の言う「読書」が嫌いだった人こそ、読書好きになる可能性がある。
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