400
Post/Edit Page
ひきつづき神保町での話。岩波「青」を読み始めた後輩に、日本人の著作で哲学寄りのオススメは、という漠然とした質問を受けたので、ちょうど岩波の棚にいたこともあり、これはよい機会と『寺田寅彦随筆集』を推した。じつは遥か昔、数年前にも彼に推奨したことのある品だが、彼は覚えていないだろう。冊子を手にして適当に開き、皆そうだが、活字の小ささに眉を顰めて閉じる。困ったことだ。▼傍に平積みで『柿の種』が並んでいたので、それなら手始めにこちらはどうかと言うと、こちらは素直に受け入れてくれた。随筆集と比べれば圧倒的に読みやすい版組だ。寺田寅彦氏がいかに素晴らしいか、説得する言葉に乏しい自分もイヤだが、この手の名著に人を寄せ付けぬレイアウトを当てはめるのも大罪ではないかとつくづく思うのである。▼余談だが、昔、血眼になって探していたが見つけられなかった古語訳の新約聖書が岩波から出ていた。ごく最近の品だ。近々買う。
pass:
Draft