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建築家という職業が注目を集めだしたのは、他の芸術に比べれば遥かに最近のことだ。十七世紀以前の著名な建築家と言われてもピンと来ない。”建物もつくった芸術家”という括りでなければ、語りにくいところがある。▼コルビュジェにしてもミースにしても、近代建築家として名を残した巨匠たちは皆、自分の売り込みが旨かった。世の中にプレゼンスを示していく能力に長けていた。つらつら名を上げてみても、近代建築の名手にひきこもるタイプの芸術家はいない。ライトはそれが上手く出来なかったと言うが、上手く行かなかったということは果敢にトライしていたことの裏返しでもある。結果的に彼は、壮大な公共事業とは別のところ、郊外邸宅の世界で高名を得ることになったわけだ。▼職業としての”建築家”のデビューはマスメディアの勃興と時代を同じくしている。自分は建築家として社会に何をコミットできるか。そのアピール能力も含めて彼らは建築家なのだ。
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