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磯崎新&鈴木博之による建築批評対談『二〇世紀の現代建築を検証する』読了。▼豪華絢爛な写真とともに鳥瞰する戦前・戦後の世界の建築批評。あるいは建築写真をめぐる意見の衝突。「あとしまつ」と題したあとがきで磯崎新氏が言うように、聞き手であり写真の撮り手でもある二川氏が「オレが撮った写真をお前ら二人で裏付けろ」と対談の体で二人に語らせた企画だと解釈しても成立しそうな内容である。名建築と名おしゃべりの取り合わせとでも言うべきか。読んでて楽しい写真集。▼自分について言えば、バウハウス前後の戦前欧州は良いが、南米や西海岸、あるいはCIAM崩壊以降の戦後世界、そしてなにより日本についての知識は弱いなと思った。社会がどうだ思想がどうだと論じる側に回る気はさらさらないが、文章中で名前の挙がる建築家のバックボーンくらい知らないと貴重な対談も楽しみが薄れてしまう。建築物の「乱読」がまだ足りていない状態かなと思う。
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