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建築家が自らを分析するとロクなことがない。だから自分の手法については論じない。藤森照信氏、曰く。「例えば、喋らなかった時の菊竹清訓さんは本当に凄かった。それが、周りにいた「しゃべくり」の黒川紀章さんや磯崎新さんに、どれだけの脅威を与えていたか。彼らがぐちゃぐちゃと喋っていることを、菊竹さんは線一本でやり遂げてしまう。一方、菊竹さんも、彼らに劣等感を持っていたから、何とか理論を出そうとしたのだと思います。」▼何を言うかに劣らず何を言わないかも大切な言葉の使い方である。銀と金で優劣をつける必要まではないかもしれないが、語る言葉に自分自身が引きずられてしまうくらいなら、敢えて言語化しないという選択を取ることも時に必要だ。だから彼は「自分の造形については言語化しないようにしてきた。聞かれたり、言われたりすることに納得しながら、他人が鏡のように写してくれることによって、自分の像を探しているのです。」
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