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建築好きになったもともとの動機が芸術新潮で読んだフィリップ・ジョンソン特集だったか、それとも庭にまつわる小説を書くために濫読した庭園系の書籍だったか、覚えていないがたぶん両方だろう。ほどよく和洋折衷、違うテーマをささやかに共有していたのも手伝った。どちらか一方では足りなかったかもしれない。▼SS作家とはいえ物を書いていると興味の範囲はひとまわりもふたまわりも広がっていく。没頭することで逆に守備範囲の広がる趣味というのは、実はなかなかないものだ。文章書きはそれだけで十分報われると思っている。▼だからもちろんいつでも書きたい気持ちに溢れてはいるのだが、さてそれではまとまった長文を、となると腰は重い。怖いのは、それなら出来るだけ自分の「足し」になるものを……という、正に本末転倒な選択をしてしまうことだ。手段と目的のなんとやら。絶対にダメだ。その奈落にだけは落ちないよう、慎重にテーマを選っている。
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