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『PLOT05 伊東豊雄:建築のプロセス』まずは多摩美術大学八王子キャンパス図書館の章を読み終える。90,000Rのディテールにかける職人達の誇りとこだわり。当事者の言葉から、施工当時の写真から、あるいは初期案と実施案の平面図比較から、計画と思考の変遷が浮き彫りになる。▼そう、こういう本を求めていた。読本シリーズも好きだが、こちらの方がいっそう性に合う。ひとつの建築物に充てる頁数が浅すぎず深すぎずでちょうどいいし、形状や構造の選択について最も肝心な、最も知りたい「なぜそうしたのか」がはっきりわかるようになっている。紙の向こうを見通す神の目がなくても、わかるように紙面が読者を導いてくれる。これも本のコンセプト勝ちだろう。▼私がいつもいつも音楽の世界に足りないと言っている<書籍>とはまさにこれのことだ。ある楽曲について作者自身も巻き添えに制作のプロセスを検証する試みを、私はまだ一冊も知らない。
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