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「つまりね、君は客観的にはなれるが、無私にはなかなかなれない。しかし、書いている時に、「私」を何も加えないで「私」が出てくる、そういうことがあるんだ。君は、自分を表そうと思っても、表れはしないよ。自分を表そうを思って表しているやつは気違いです。自分で自分を表そうとしているから、気が違ってくるんです。よく観察してごらんなさい。自己を主張しようとしている人間は、みんな狂的ですよ。そういう人は、自己の主張がどこか傷つけられると、人を傷つけます。」▼「本当にいい音楽とか、いい絵とかには、何か非常にやさしい、当り前なものがあります。真理というものも、ほんとうは大変やさしく、単純なものではないでしょうか。現代の絵や音楽には、その単純なものが抜け落ちています。」久しぶりに小林秀雄スクラップブック。彼の言葉は、自分で余計な注釈や考察を挟まなくてもスルリと腑に落ちるので、頭と胃にやさしい。休日の友人である。
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