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海風のよく通る街は道幅が広い。風を通すためか、海沿いの立地が低地価なために表面積を広く使えるためか、わからないが、どこも贅沢な区画の作り方をする。オフィスビルにも敷地の広さに物を言わせて奇妙なデザインを押し出した「エゴ型」が多い。意味なく迂回する通路。誰にも使われないデッドスペース。迷路のようなショッピングモール。利用者のために作られたとは到底思えない芸術的なイコンである。▼建築物に限らないが、利用できる空間・時間・リソースが過剰に多く与えられると、人はロクな仕事ができないようだ。何事も限界ぎりぎりまで切り詰めて、かつかつにまわすのがプロジェクト運営として正解というものだろう。実働部隊としては苦しくとも、投入対生産の割合は確実に最適化されている。金がないから良い仕事ができない、良い作品ができないと嘆いている人に予算をふんだんに与えたところで、良い物があがってくる見込みはあまりないのである。
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