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そう多くはないが、今プレイリストにいる人達だけで、ひとまず「月光」第三楽章の聴き比べをしてみた。もはや巧拙を論じるような面子ではない。当然、以下、好みについての評価である。▼ホロヴィッツ>>ルービンシュタイン>グールド>ブレンデル>>バックハウス>ケンプ。ホロヴィッツは、ちょっと他とは比較にならないくらい、抑揚の付け方からペダルの踏み方まで何もかも性にあっている。他の演奏でも、あの極限まで引き伸ばされたトリルの小節がないと逆に物足りないくらいだ。ルービンシュタインは第一印象ほど嫌いではなかった。ところどころバスのラインを強調する弾き方が、ふだん聞こえにくい音を教えてくれて面白い。グールドの超高速月光は、これはこれでひとつの完成形。ブレンデルはやはりオーソドックスな弾き味だ。そうして残念ながら、最後の二人は合わない。とくにケンプは何もかも合わない。広いピアニスト界、そんな御縁もあると学んだ。
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