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最初に疑うのはデータである。次に、自分のコード。つづいて外部クラスの動作。それでもダメならライブラリ、SDK、コンパイラ……と低レベルに遡り、最後にハードウェアであろう。良心あるプログラマなら、冗談でもない限り最初から機材やコンパイラの故障は疑わないものだ。▼そもそも疑っていてはキリがない。たいていの場合、バグと呼ばれるものの原因の9割は不正なデータで、9分はコードのミスである。9厘ほどはライブラリのバグもあるだろう。長いプロジェクトで9厘は、そこそこ引く確率だ。▼しかし、こんな短い間にSDKとコンパイラのバグで二回も悩まされるとは思わなかった。原因を砕いて砕いて、ついに到達したアセンブラコードの振る舞いが、恐らくはコンパイラの最適化による生成ミスであろうということが判明したときの達成感と脱力感は凄まじい。些細な違和感から始まった探偵業も、往々にして想像以上に長い旅を強いられるものである。
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