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本を失くした。状況を考えると人生で初めての経験かもしれない。帰りの電車で読んでいた『羽生の法則2』、最寄り駅で降りる直前まで読んでいたのは覚えている。さて、暗い夜道を歩いて帰り、家について風呂に浸かり、就寝前にもう一条くらい目を通しておくかとダウンジャケットの周辺を探したが、どこにもないのである。そんなバカな。▼いくらなんでも家にあるだろうと、次の日、出社前に探してみたがやはりない。つまり駅から家のあいだ、歩く以外に何もすることのない道のりで、文庫本とはいえ四百頁超の分厚い物体が忽然と消え失せたことになる。▼落としたらいくらなんでも気づくだろう。駅に着いたときまで読んでいた本を電車に忘れてくる道理もない。手持ちは常用の鞄のみ。鞄にはこの後にひかえているサイモン・シンの『代替医療解剖』が一冊だけ。困り果てて三巻を先に読んでいるところだが、解せない話である。意識への信頼感も揺らいでくる年頃か。
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