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プロ棋士は十手先、二十手先まで読むという。では我々ヘボ棋士は何手読むべきか。何手読めれば勝てるのか。▼切実に今、「三手」だと思っている。九割がたの七手より完璧な三手なのは当たり前だが、それにしてもどうしてこんなに三手が読めないのか。三手と言えば三歩先の未来まで考えているような口ぶりだが、自分、相手、自分の三手であることを考えれば、三つのうち二つは自分の意志であって推理している手はたったのひとつに過ぎない。そうして、それが出来ない。未来ではなく妄想を信じてしまう。▼打つ。打たれる。しまった。これがなくなれば立派な有段者ではなかろうか。可能な相手の手がたかだか数手しかないのに劣勢につながる変化を見落としてしまう三手の罠は、自分に都合の悪い現実から目を逸したがる人間の無意識の特性を見事に反映している。相手の意識と一戦交えているようで、実は自分の妄想癖と戦っているようなものだ。現実はそう甘くない。
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