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「深夜は頭が冴える」という口上は、どうやら将棋で化けの皮が剥がれるようだ。たしかに尋常の眠さを越えると逆に頭が研ぎ澄まされていくような気がすることもあるが、昼と同じようなレベルで将棋を打ってみれば錯覚であることはすぐにわかる。酔拳のごとくふらふらの脳味噌で繋いでいく手。惨敗を喫するのがオチだ。▼そんなデータはないが、時間帯別の勝率を取ったら恐らく深夜帯の勝率は悲惨なことになる。ちょっくら論理的な常識を引きずり出せば、深夜は相手も深夜なのだから昼と夜で勝率が変わることはあるまいという屁理屈にもなるが、そこはこちらが無理して打つ憔悴の夜に対して、相手候補は平均的な夜鷹だと思えばよろしい。▼将棋に「勝ち将棋を勝て」という格言がある。負ける試合はするなという意味ではないのだが、実力で勝てる相手にはきちんと勝ち切れ、という意味に捉えれば、自分の調子が良いときを選んで戦うのも大切な見極めかもしれない。
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