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三十六計逃げるに如かず。後輩が本屋で『孫氏』を買ったとき、このフレーズの故事を思い出した。もっともこの故事、孫氏の兵法三十六計とは無関係である。しかも三十六計には「走為上(ニゲルヲ上ト為ス)」、つまりやばくなったら逃げるが吉との教えもあるので、その点では三十六計の方が有能であって、逃げるに如かずと切り捨てるのもいかがなものか。▼屁理屈はさておき、人は往々にして撤退という有益で正しい選択肢を取ることができない。コンコルド効果などと言うまでもなく、負けの込んだパチンコでどうしても席を立てないのと同じレベルの話である。今までの苦労を無にするくらいなら、なんとか形にさせてください――そうして弄くり回した結果、ダメージは無実の隣人へと拡大していく。▼こうすれば解決します、ダメでした、この場合はこうするべきでした。そんなやりとりを二回、三回繰り返したらもう諦めた方がいい。それはダメな方の「計」である。
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