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雪は融けて路は雨の跡。遠くうねるアスファルトの坂道が、街灯の白を柔らかく照り返している。靄にまぎれて曖昧な風景。このノイジーさが現実の”ウリ”であろう。リアル系ゲームグラフィックスが目指しているのは、この乱雑であるが故の情報量だ。アナログ特有の豊かさだ。▼こう考えると、ゲームグラフィックスと打ち込み音楽の軌跡も被るところが出てくるようだ。デジタル音の最大の弱点は、波形が綺麗すぎるために音が薄っぺらく、貧弱に聴こえるところであった。理論通りに写りすぎて現実味のないフォトリアルグラフィックスの黎明期と同じだ。その後、アナログ的な倍音の揺らぎを生み出す装置が研鑽されたおかげで、ようやく今はソフトウェアシンセでも楽器に近い迫力、説得力をもたせられるようになってきている。▼雑味こそ魅なり。人は目の前の実在から出来るだけ多くを引き出したいし、また多くを仮託したいのである。まさしく想像力の生き物である。
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