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高山博『ポピュラー音楽作曲のための旋律法』を再読。サンプル音源の都合上、家に長くいるときしか読めないので、こういうときにさらっと復習したい良本だ。▼基礎をさくさく辿りつつ、きらりと光るアドバイスが多い。「内なる唱和」と「同調」の考え方は、こと歌声を意識する曲づくりでは重要だろう。チェストボイスを越える高音域、たとえばA3よりも上の旋律を聴かせるとき、その旋律が反復される順次上行などでわかりやすく誘導されていれば、聴く人は心の中で歌いながら聴いている状態になりやすく、その高音フレーズは「苦しげに」聴こえる可能性がある。▼一方、小節の頭などフレーズの途切れた後で急に現れる高音に対しては、聴き手が同調する時間がないため、自分の外にある芸術品を眺めるような気持ちで聴くことになる。このときは苦しげなニュアンスは付与されず高さの技巧が際立ってくる、という考え方だ。同じ高音でも聴かれ方が変わるのである。
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