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アート・テイタム。ジャズ・ピアニストの誰もが憧れる、真のヴァーチュオーゾ。あのホロヴィッツが始めて彼の演奏を聞いたとき、「彼がクラシックピアニストだったら、我々の仕事は無くなってしまう!」と感激し、その後は一週間続けてバードランドに聴きに来たという伝説も。まあ、この絶賛を都合よく曲解して、ホロヴィッツが「恐れを感じて逃げ帰った」などと書いてしまう某歴史家は物書きとしてどうかと思うけれど……。▼そのテイタムのCDを手に入れて、ここしばらく流している。そうしてわかったことは、私にはやはりジャズピアノの良し悪しが全くわからないということだ。本当なら「私も感激した、やはりテイタムは最高の演奏だ」とか格好いいことを言いたいのだが、良いも悪いも好きも嫌いもなくて、ただ難解な哲学を読んでいるように「わからない」のである。耳か心が大人になればいつかわかるんだろうか。苦いコーヒーが、いつしか旨くなるように。
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