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ストーリーにまとまりを持たせ、読後感を充実させるテクニックのひとつに「フレーミング」がある。物語の冒頭で見せた人物や舞台の構図を、そっくりそのまま最終シーンにも配置する技法だ。最初と最後をお揃いにすることで、この話は「ここで始まり、ここで終わったんだ」という枠組みを読者に意識させることができる。そうして外枠がかっちり決まると、中の絵もよくまとまって見えてくる。▼音楽でもしばしば見られる、イントロのアレンジでアウトロを組み立てるやり方は、このフレーミングに該当するだろう。映画や小説に比べて音楽の方が「すぐに繰り返し聴く」機会が多いことを考えれば、単にまとまりをつけるのみならず、冒頭への郷愁を駆り立てるという意味でもいっそう効果的かもしれない。アウトロがイントロへ、欲求的に繋がる仕組みである。定番とはいえ破壊力は抜群。より良い風呂敷の畳み方が思いつかなければ、さくっと頼ってみるのもありだろう。
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