400
Post/Edit Page
ラギンと呼ばれた黒人たちのクロックダンス。その打楽器的なリズムをピアノ演奏に取り入れたスタイルは、はるばるニューオーリンズに辿り着いて「ラグタイム」になった。それは、ステュアート・アイサコフの表現を借りれば「規則正しい伴奏を続ける」左手と喧嘩する間違ったアクセントであり、「リズムの精神分裂症」であった。ダンス、スウィング、アクセントの崩壊。ラグタイムとは、ジャズとは、ピアノ世界におけるリズミストたちの台頭だったのだ。▼ジャズ、という言葉の意味については、意外な人物が現地からリポートしている。シンシナティから公害を避けてニューオーリンズへ移ってきたギリシャ生まれのジャーナリスト、我々には小泉八雲の名前で親しいラフカディオ・ハーンによれば、jazzとは「ものごとのスピードを上げたり、面白くしたりする」という意味で南部の黒人たちによく使われていた言葉なのだそうだ。ジャズとはまさにそんな音楽であった。
pass:
Draft