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まだ補遺を読み進めている途中だが、『ピアノの歴史』の目玉は、近世のピアニスト・作曲家を四大元素になぞらえて分類してみせたところだろう。もちろん、全ての人が型に嵌るわけではないし、嵌めるつもりもないがと前置きした上で、本書はピアノアーティストを次のように分けている。火、燃焼派。風、錬金術師。土、リズミスト。水、メロディスト。▼燃焼派の始祖はベートーヴェンだ。起伏する激情を原動力とする音楽である。その精神はリストに受け継がれた。錬金術師はドビュッシーやスクリャービンように、和音の新たな可能性を追求した不思議な響きを魅力とする「音の魔法使い」たち。リズミストの多くは打楽器としてのピアノの可能性を押し広げたジャズ・ピアニストだ。そうしてメロディストは、シューベルト、シューマン、ブラームス、メンデルスゾーン、ショパンにラヴェルといった、美しく印象的な主旋律をもって曲と人を後世に覚えられる人々である。
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