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食べ物の数え方について語る晩酌の卓。生きている魚は「一匹、二匹」だが、食卓にならぶ死んだ魚は「一尾、二尾」だという難癖に始まり、嘘か真か、動物を食べ物として数える場合には、食べたときに残される部位で数えるのだという話になった。即ち、魚を食べれば尾が残る。牛を食べれば頭が残る。鳥を食べれば羽が残る。▼兎を食べても羽が残らないのは、古の僧侶が獣類を食べる口実に、二本足のウサギを鳥類と見なしたから――なんて俗説もあるが、また別の話。いずれにしても眉唾だが、昨日はいくつ食べた、一昨日はいくつ食べたという記録のための助数詞と考えれば、残った部位で数えようとする気持ちもわかるというもので説得力はある。しかし反論側に立てば、小動物は食卓に並ぼうと一匹、二匹で「匹」とはなんぞや、家畜を引くヒモではないかという主張もあり、そもそも英語などは数詞をつけるだけではないかと言われれば、これもまた頷くより他にない。
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