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序盤は奇数筋の歩を突けと言う。直接的には角道の風通しをよくするためだが、最近、もうひとつの格言にも絡んでいる手筋ではないかと思い始めた。案外これができていなくて中盤戦を競り負けることが多いのだ。「桂馬の利き筋、歩の突き捨て。」▼桂馬の初期位置は2筋と8筋なので、打ち駒でない限り、二回跳ねた桂馬の利き筋は奇数筋である。一回跳ねただけの桂馬が攻撃に参加することは稀なので、歩を突き捨てるべきはやはり五段目にいる桂馬の利き筋であろう。矢倉崩しの鉄板である2五桂からの3三歩も、3筋の歩を突き捨ててなければ成立しない。序盤に突いた奇数筋の歩が、中盤に一手素早い攻撃を可能にするわけだ。勝敗分かつ貴重な一手である。▼歩の突き合いは戦略の探りあい。歩の形を見れば、どこに銀を上げたいのか、どこから飛車先を突破したいのか、どこへ桂馬を跳ねたいのか、相手の腹積もりも見えてくる。手のうちの絶妙なるさらし合いである。
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