400
Post/Edit Page
コーディング技法を扱った本は総じて出来が良い。平易でわかりやすく、書かれていることは正論だ。しかし、この手の本がいつも故意に触れていない真実がある。本が主張するような優れたコードを書くための様々な原則を「全て守っているコード」が最良だとしたとき、最悪なコードは、それらの原則を「全く守っていないコード」ではない。最悪なのは「中途半端に守っているコード」「守りかけて諦めたコード」「守っていたところへ守らない人が手を入れたコード」である。この順に悪くなっていく。▼恐るべき現実との闘いを予感させる真実だ。なぜならこれは、チームプログラミングにおいては、各人が良いコードを書こうとすると、その努力が至らなければ毒になり、また誰か一人が技法を完璧に極めたとしても、そのことによってチームとしての品質は向上するどころか低下する恐れがある、ということを示唆しているからである。逆説的だが、これが悩みの種なのだ。
pass:
Draft