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鳴っていたい、いつまでも鳴っていたいと願いながら、鳴り止みたい、もう鳴り止みたいとも心のどこかで思っている。そんな曲が聴いていて好きだ。ダンスフロアのような執着力と、交響曲のような結末の希求力を、出来ることなら併せ持っていて欲しい。全てを聴き終えたとき、最後まで辿り着いたことへの強烈な満足感と同時に、ああ、もう自分はこの曲について何も聴くものが残っていないんだという、無力感とでも言うべきものが押し寄せてきて欲しいのである。▼もうこれ以上聴くものがなくて苦しいから、仕方なく同じものを聴く――リピートにはそんな動機もあるのではないだろうか。本当にすべてが語り尽くされていたら、二度目を体験したい気分にはならない気がする。鳴り止みたいと思う心を汲んで聴き終えた曲の、今度は、鳴り続けていたかったという思いを汲んで、再び聴き始める。そういう浸り方が性に合う。好き嫌いとはつまり、そんなぐだぐだであろう。
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