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文章、あるいは曲について。アマチュア作品の鑑賞をしていると、それなりの頻度で「偉人の傑作を部分的に引用した作品」に出会う。例外なく印象は悪い。上手く馴染ませたと思っているなら浮いているし、隠蔽できたと思っているならモロバレである。▼唐突な引用は、会話中にいきなり声色を変えるようなものだ。言われている内容など二の次で、その怪訝さに気が向く。作者への不信感が生まれ、その後の話も素直には頭に入ってこなくなる。▼「その引用がなければ作品が成立しない」ほど根の張った計画でない限り、傑作の部分的引用はやめよう。引用したくなる気持ちはたいてい、失敗しそうだから予防線を張りたい、いつもの語彙が尽きた、内容に自信がないから作者の知識を披露したいというような、ロクでもない欲求から生まれてくる。そんな横着心を捩じ伏せて、最初から最後まで自分の言葉で語ることこそ創作の醍醐味だ。褒められたときの嬉しさも一入である。
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