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かつて三十年間、ハーバード大学の総長をつとめたチャールズ・W・エリオット博士はこう言った。「紳士淑女の教養として、これだけはぜひとも身につけていただきたいと常々考えている知的財産とでも言うべきものが一つあります。それは、母国語を正確に美しく使いこなす能力です。」▼それでは、誰よりも言葉を「正確に美しく」しかも独創的に使いこなしてきた名作家や名演説家たちは、どのようにしてその能力を身につけたのか。さいわい、彼ら自身がその秘訣を明かしてくれている。要点はどれも同じだ。一流の作品に触れること。辞書を読み込むこと。自分で使ってみること。▼ただ、スティーヴンソンの回答は面白い。曰く、重要なのは模倣だが、模倣する相手は「まねようとしてもまねられないお手本」でなければならない。いくらでも真似てよいが、失敗が目に見えている、そういう相手だけを真似つづけるべきなのだ。失敗こそが成功への唯一の王道なのだから。
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