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ある事情で特許関連の文書を読む。難解なテキストは慣れているつもりだったが、これは規格外だ。読んでも意味をわからなくすることに全力を投じているような、難解さのための難解さである。ちょうどよいので識者に話を聞いてみると、やはりそういう側面があるようだ。彼はそれを特許の防御力だと言った。これからやろうとしていることに関係ありそうだが、ちょっと読んだくらいでは意味不明な特許が出されていたら、誰だって脚が鈍るだろうと言うのである。▼敢えて意図を隠蔽したり、本命を悟られないようジャブを混ぜたりと、倫理的な良し悪しは知らないが、特許の駆け引きは実にメタ的で面白い。もちろん、特許の本懐は強い新規性を持つアイデアや技術の保護であって、こんな小手先の陣取り合戦ではないのだが、さりとて空白の緩衝地帯が出来る以上、そこを奪い合いに行くのはマネーマシンとして当然であろう。難解な文書もまた、前線の特許戦術なのである。
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