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許光俊『クラシック知性主義』読了。18人による評論の寄稿集だが、はっきり言って相当な玉石混淆。興味深いもの、面白いものもあったが、酷いのは本当に酷い。ある意味では「知性」の意味を考えさせられる本である。▼「美術とクラシック」「演奏解釈と法解釈」「クラシック音楽にとって知性とは何か」「クラシックと会計学」「クラシックと社会学」このあたりは私にとっては当たり。夢野久作をパロディにした「缶詰の地獄」も嫌いじゃない。その他、つらつらと関連する知識を披露してくれる列挙系の何編かも、知らない知識を補充してくれるという点では読んでよかったと思う。▼「良かった」と「まあまあ」のどちらにも入らなかった数編については、ほとんど記憶に残っていない。もっとも、書き手にも読み手の記憶に残そうという意志はまるきり感じられないので、それでよいのだろう。世の中には、発信しさえすれば受け手が誰もいなくても満足する人はいる。
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