400
Post/Edit Page
村上春樹『雑文集』を読んでいて思うこと。私が村上春樹を「なんか苦手」と思う理由のひとつに、この人の文章がなぜ読みやすいのか、そのワケがわからないからという不気味さがあると思う。言葉が平易だから読みやすいとか、日本語の使い方が巧いとか、音楽的だとか、そういうことはちっとも感じないのだが、とにかく読みやすい。ワケもわからず読みやすい、その「ワケのわからなさ」がそっくり、村上春樹=ワケのわからない作家というイメージに変換されてしまっている気がする。失礼極まりない話だ。▼そろそろ読み終えるところだが、率直に言って面白い。眠い朝の電車でも読んだし、雨がちな昼休みにも抱えて出たし、仕事中もトイレに持ち込みたい気持ちを我慢して手元に置いていたくらいだから、けっこうハマっていたのだろう。勝手に嫌って勝手に気に入って、まこと身勝手な話ではあるが、距離を詰める気になっただけでも書店のフェアに感謝すべきだろう。
pass:
Draft