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小澤征爾の次は『1Q84』に手を出してみた。六巻組の単行本。まだほとんど読んでいない。▼ちょうど折よく、村上春樹が小説を書くための極意を披露したというので、記事を読みに行ったらカキフライの話が出ていた。『雑文集』の最初の一遍もカキフライについての話だ。よほどカキフライが好きなんだろう。▼記事の引用する彼の言葉によれば、彼の奥さんは揚げ物が嫌いで自分のためにカキフライを揚げてはくれないので、好物を食べるためには自分で揚げなければならない。ときに、朝四時とか五時に起きて一人でもくもくと小説を書くのも、自分が好きだから書いているのであって、してみればカキフライを揚げているようなものだ。自分の小説を書くという気持ちでいると上手く言葉が出てこなくなるが、カキフライを揚げているんだと思えば気持ちが楽になって、筆もすらすら進んでいく。小説を書くのは、カキフライを揚げることなのだ、と。そういう話であった。
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