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一口におせち料理といっても構成は様々だ。一般には、黒豆や伊達巻、栗きんとん、紅白かまぼこといった祝の肴と、酢の物、煮物、焼き物というラインナップだが、こうした縛りの中でも高級品を作ろうと思えばいくらでも作れるもので、組重から飛び出さんばかりの海老を配してみたり、しきたりなんてなんのその、黒毛和牛のローストビーフを重ねてみたり、フォアグラを酒煮にしてみたり、とびっこの代わりにキャビアを散りばめてみたり、案外やりたい放題である。▼百貨店で扱うデリバリーのおせちは、二段組なら通常一万円から十万円、三段組以上で高級店なら十万円を超える品も出てくるというオーダーである。勝手な推測だが、二万円から四万円の一家族用が売れ筋ではないかと思う。しかし前述のような贅沢を極めた最高級品だと、二百万近くする品もあるようだ。四段組、フレンチワイン付き、金百八十万。もはや金を使うために金を使っているような世界である。
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