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毎年、大晦日や元旦は記念日の感慨ばかりでたいしたことは書いていないが、自分で過去を振り返るには便利な習慣だ。去年はホロヴィッツのインポートに勤しみ、一昨年は珍しく仕事がなく、その前の年は職場の会議室でやかましい面子と蕎麦をすすっている。記憶の中では一昨年の印象がいちばん鮮明だ。超大型連勤の最後の日。「野郎ども、蕎麦を食うぞ!」会社に出前の無茶をして蕎麦を奢ってくれた豪快なリーダーは、今はもういなくなってしまった。▼当時、渦中のときは「楽しかった」なんて言いにくい疲労困憊のさなかだったが、こうして過去の出来事になってしまえば、多少の美化は考慮しても、充実していた日々という名の良い思い出の一ページになっている。過去なんてそんなものだ。人生の中に占めた意味や価値は、そのとき感じる印象とはズレていることもままある。自分の身に起きたことは常に、判断保留、あとで考える、くらいがちょうどよいと思うのだ。
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