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東西教会、和解。ローマ法王とロシア正教最高位の会談が実現したという。さらりと告げられたニュースではあるが、1054年に大分裂して以来、ローマ・カトリック教会と東方正教会が繰り広げてきた長い戦いを考えれば、結構な出来事である。▼融和のきっかけはもちろんISILだ。東西教会、言い換えれば欧州と東欧・ロシアの緩衝地帯をめぐるいざこざを棚上げしてでも、まずはイスラム過激派組織のキリスト教への攻撃を協力して跳ね返そうという主旨である。皮肉にも――あるいは当然の成り行きでもあるが――イスラム原理主義の活動が、キリスト教における最大の亀裂を繋ぎ合わせようとしているわけだ。▼今はまだ教会のトップ会談が実現したに過ぎないが、政治はいつも会話から。国家を超えた影響力を持つ両名の、条件つきではあるが友好的な宣言を受けて、世界政治が大きく動く可能性もある。今年はどうも世界の経済と宗教にとって波乱の年になりそうだ。
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