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ウィリアム・H・マクニールの『世界史』を読んでいて思うこと。たしかに名著。「読むシヴィライゼーション」というレビューをつけた某人には拍手喝采を送りたい。それほど文明発展の流れを簡潔に、わかりやすく、的確に説明している。しかし、ではこれから世界史を学ぼうと思っている人に薦めるかと言われると疑問符がつく。二冊という分量の宿命だろうが、文明の興亡が駆け足すぎるのだ。多分、初学の人が読んでも、国名と人名を追いきるのが難しかろうと思う。▼上巻をそろそろ読み終える。頁をめくっていると、すでに知っていること、忘れていたこと、断片的だった知識、そういう諸々が一筋の物語にまとめられていく。間違いなく、マクニールの「世界史」はふりかえりのための名著であろう。中学でも高校でも独学でも漫画でも、一度は学んだことがあって、しかし記憶がおぼろげだという人にこそ、ぴったりハマる著作である。残りの中公文庫既刊も楽しみだ。
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